「毎日映画コンクール」の歴代の一覧です。毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社(スポニチ)が主催。キネマ旬報ベストテンと並ぶ日本の2大映画賞の一つ。 1946年創設。日本アカデミー賞より30年以上長い歴史があります。(アワード・ウォッチ)
年 | 作品賞 | |
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2024 | 「せかいのおきく」 | 詳細↓ |
2023 | 「ケイコ 目を澄ませて」 | 詳細↓ |
2022 | 「ドライブ・マイ・カー」 | 詳細↓ |
2021 | 「MOTHER マザー」 | |
2020 | 「蜜蜂と遠雷」 | |
2019 | 「万引き家族」 | |
2018 | 「花筐/HANAGATAMI」 | |
2017 | 「シン・ゴジラ」 | |
2016 | 「恋人たち」 | |
2015 | 「私の男」 | |
2014 | 「舟を編む」 | |
2013 | 「終の信託」 | |
2012 | 「一枚のハガキ」 | |
2011 | 「悪人」 |
選考・審査方法 | 2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | ページの先頭↑ |
Tweet作品賞は「日本映画大賞」という名前がついています。 これが最高賞となります。 次点の作品には「日本映画優秀賞」という賞が贈られます。 少しまぎらわしいですが、1位が「大賞」で、2位が「優秀賞」だということです。 このほかにファン投票で選ぶ賞もあります。 毎日映画コンクールの略称は「毎日映コン」ですが、この呼び方はあまり普及していません。
審査員は、ノミネートと受賞作で別々の人がやっています。 ノミネート(候補)を選ぶのが映画評論家や映画担当の記者ら約70人です。これを「第1次選考委員」と呼んでいます。 一方、ノミネート作品の中から受賞作を選ぶのが、5名くらいの映画関係者で構成する審査員です。これを「第2次選考委員」と呼んでいます。 ちなみに、2017年の作品賞を決めた2次選考委員のメンバーは以下の通りです。
日本アカデミー賞(日アカ)は「東映・東宝・松竹・日テレ」のための映画祭という側面が強いです。 東映・東宝・松竹とは、日本国内の映画大手会社です。 この3社とKADOKAWAが、日アカの主催団体の構成員になっています。 東映・東宝・松竹が投票に強い影響力を持っているとされます。 とりわけ、ノミネートの選考過程では、東映・東宝・松竹の映画が圧倒的に有利になります。 このほか、日アカの授賞式を放送する日本テレビ(日テレ)も、受賞レースで得する場面が多いと言われます。 これに対して、毎日映画コンクールは、このような「大手有利」というバイアスがありません。 実際に歴代の結果を見ても、納得感が高いです。
| 2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 |
作品賞、 監督賞、 主演男優賞、 主演女優賞、 助演男優賞、 助演女優賞、 新人賞(男性、 女性)、 脚本賞、 撮影賞、 美術賞、 音楽賞、 録音賞、 アニメ賞、 大藤信郎賞、 ドキュメンタリー映画賞
毎日映画コンクール(2024年1月発表) | ||
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部門 | 受賞 | ノミネート |
作品賞 |
「せかいのおきく」
監督:阪本(さかもと)順治 (配給:東京テアトル、U-NEXT、リトルモア) |
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監督賞 |
石井裕也
「月」 (配給:スターサンズ) |
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主演男優賞 |
鈴木亮平
「エゴイスト」 (配給:東京テアトル) |
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主演女優賞 |
杉咲花(すぎさき・はな)
「市子」 (配給:ハピネットファントム) |
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助演男優賞 |
宮沢氷魚(ひお)
「エゴイスト」 (配給:東京テアトル) |
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助演女優賞 |
広瀬すず
「キリエのうた」 (配給:東映) |
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新人賞 (男性) |
アフロ
※ラップグループ「MOROHA」のメンバー 「さよなら ほやマン」 (配給:東宝、角川) |
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新人賞 (女性) |
サリngROCK(サリングロック)
「BAD LANDS(バッド・ランズ)」 (配給:東映、ソニー) |
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脚本賞 |
「せかいのおきく」
阪本順治 (配給:東京テアトル、U-NEXT、リトルモア) |
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撮影賞 |
「月」
撮影:鎌苅洋一 (配給:スターサンズ) |
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美術賞 |
「ゴジラ-1.0」
上條安里 (配給:東宝) |
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音楽賞 |
「658km、陽子の旅」
ジム・オルーク (配給:カルチュア・パブリッシャーズ) |
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録音賞 |
「せかいのおきく」
志満順一 (配給:東京テアトル、U-NEXT、リトルモア) |
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アニメ映画賞 |
「アリスとテレスのまぼろし工場」
(配給:ワーナー、MAPPA) |
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大藤信郎賞 |
「君たちはどう生きるか」
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ドキュメンタリー映画賞 | 「『生きる』大川小学校津波裁判を闘った人たち」 |
毎日映画コンクールの2023年の結果です。「ケイコ 目を澄ませて」が作品賞(日本映画大賞)を受賞しました。監督賞、主演女優賞、撮影賞、録音賞も獲得し、5冠となりました。毎日映コンの5冠達成は、「一枚のハガキ」(2011年)以来、11年ぶりの快挙です。
作品賞、 監督賞、 主演男優賞、 主演女優賞、 助演男優賞、 助演女優賞、 新人賞(男性、 女性)、 脚本賞、 撮影賞、 美術賞、 音楽賞、 録音賞、 アニメ賞
毎日映画コンクール(2023年発表) | ||
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部門 | 受賞 | ノミネート |
作品賞 |
「ケイコ 目を澄(す)ませて」
配給:ハピネットファントム 監督:三宅唱(しょう) ※監督賞、主演女優賞、撮影賞、録音賞も獲得して計5部門を制覇した。5冠達成は「一枚のハガキ」(2011年)以来、11年ぶり。 |
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監督賞 |
三宅唱(しょう)
「ケイコ 目を澄ませて」 (配給:ハピネットファントム) |
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主演男優賞 |
沢田研二
「土を喰らう十二ヵ月」 (配給:日活) |
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主演女優賞 |
岸井ゆきの
「ケイコ 目を澄ませて」 (配給:ハピネットファントム) |
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助演男優賞 |
窪田正孝
「ある男」 (配給:松竹) |
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助演女優賞 |
伊東蒼(あおい)
「さがす」 (配給:アスミック・エース) ・TAMA映画賞 新進女優賞 【配信:アマゾン】 |
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新人賞 (男性) |
番家一路(ばんか・いちろ)
「サバカン SABAKAN」 (配給:キノフィルムズ) |
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新人賞 (女性) |
嵐莉菜(あらし・りな)
「マイスモールランド」 (配給:バンダイナムコアーツ) 【他の受賞】 ・キネ旬 新人女優賞 ・高崎映画祭 新人俳優賞 |
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脚本賞 |
「PLAN 75」
早川千絵 (配給:ハピネットファントム) 【配信:アマゾン】 |
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撮影賞 |
「ケイコ 目を澄ませて」
撮影:月永雄太 (配給:ハピネットファントム) |
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美術賞 |
「死刑にいたる病」
今村力、新田隆之 (配給:クロックワークス) |
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音楽賞 |
「こちらあみ子」
青葉市子 (配給:アークエンタテインメント) <挿入歌「もしもし」▼> ▲1回タップして、数秒待ってからもう1回タップすると再生スタート |
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録音賞 |
「ケイコ 目を澄ませて」
川井崇満 (配給:ハピネットファントム) |
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アニメ賞 |
「高野(たかの)交差点」
監督:伊藤瑞希 長さ:6分半(短編) <本編映像▼> ▲1回タップして、数秒待ってからもう1回タップすると再生スタート |
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年 | 受賞 | ノミネート |
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作品賞 |
「ドライブ・マイ・カー」
(配給:ビターズ・エンド) (公開:2021年8月20日) 監督:濱口竜介 作品紹介→ 予告編→ ※ニューヨーク映画批評家協会・作品賞 ※カンヌ国際映画祭で脚本賞など4冠 ※ゴッサム賞の国際映画賞 ※2021年シカゴ国際映画祭で審査員賞2位、観客賞(国際映画部門)受賞 ※アジア太平洋映画賞の作品賞 ※TAMA映画賞作品賞 |
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主演男優賞 |
佐藤健
「護られなかった者たちへ」 (配給:松竹) |
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主演女優賞 |
尾野真千子
「茜(あかね)色に焼かれる」 (配給:フィルムランド、朝日新聞社、スターサンズ) 作品一覧(wiki)→ ※TAMA映画賞の女優賞 ※山路ふみ子映画賞の女優賞 |
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助演男優賞 |
仲野太賀
「すばらしき世界」 (配給:ワーナー・ブラザース) |
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助演女優賞 |
清原果耶
「護られなかった者たちへ」 (配給:松竹) |
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監督賞 |
濱口竜介
「ドライブ・マイ・カー」 (配給:ビターズ・エンド) 濱口竜介の作品一覧→ |
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新人賞 (男性) |
和田庵(いおり)
「茜色に焼かれる」 (配給:フィルムランド、朝日新聞社、スターサンズ) ※高崎映画祭の新人俳優賞 |
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新人賞 (女性) |
片山友希(ゆき)
「茜色に焼かれる」 (配給:フィルムランド、朝日新聞社、スターサンズ) 作品一覧(wiki)→ ※高崎映画祭の新進俳優賞 |
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脚本賞 |
吉田恵輔
「空白」 (配給:スターサンズ、角川) |
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撮影賞 |
笠松則通(のりみち)
「すばらしき世界」 (配給:ワーナー・ブラザース) 作品一覧(wiki)→ |
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美術賞 |
原田哲男
「燃えよ剣」 (配給:東宝、アスミック・エース) 作品一覧(wiki)→ |
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音楽賞 |
「すばらしき世界」
音楽家:林正樹 (配給:ワーナー・ブラザース) 作品一覧(wiki)→ |
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録音賞 |
浦田和治(ともはる)
「孤狼の血 LEVEL2」 (配給:東映) 作品一覧(wiki)→ |
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アニメ賞 |
「岬のマヨイガ」
(配給:アニプレックス) |
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年 | 受賞作品 | ノミネート |
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2021 |
「MOTHER マザー」
予告編→ (配給:スターサンズ、KADOKAWA) この「マザー」という映画は、 映画ファンの間では評価が高くありませんでした。 他の映画賞では、ノミネートすらされませんでした。 2021年の主要映画サイトの評価ランキングでは、 有力作品の中で最下位のほうに位置しています。 35作品の中で34番目。つまりワースト2位です。 なぜこの作品を最高賞に選んだのか、大きな謎です。 |
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2020 |
「蜜蜂と遠雷(みつばちとえんらい)」
予告編→ (配給:東宝) |
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選考・審査方法 | 2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | ページの先頭↑ |
年 | 受賞作品 | ノミネート |
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2019 | 「万引き家族」 予告編(Amazon)→ |
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2018 |
「花筐/HANAGATAMI」 予告編(Amazon)→ |
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2017 |
「シン・ゴジラ」 予告編(Amazon)→ |
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2016 |
「恋人たち」 予告編(Amazon)→ 審査員の佐藤忠男氏(映画評論家)は毎日新聞に掲載された講評で、「作者と出演者たちの、観客に訴える熱意の圧倒的なまでの強さ、激しさに打たれる作品である。世の中、おかしいのではないか。もっとみんな本気で考えよう!という思いがスクリーンからナマのまま伝わってくるような気がする」と記した。 |
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2015 |
「私の男」 予告編(Amazon)→ |
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2014 | 「舟を編む」 |
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2013 | 「終の信託」 |
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2012 | 「一枚のハガキ」 |
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2011 |
「悪人」 予告編(Amazon)→ |
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2010 | 「沈まぬ太陽」 |
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選考・審査方法 | 2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | ページの先頭↑ |
年 | 受賞作品 | ノミネート |
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2009 | 「おくりびと」 |
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2008 | 「それでもボクはやってない」 |
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2007 | 「ゆれる」 |
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2006 | 「パッチギ!」 |
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2005 | 「血と骨」 |
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2004 | 「赤目四十八瀧心中未遂」 |
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2003 | 「たそがれ清兵衛」 |
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2002 | 「千と千尋の神隠し」 |
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2001 | 「顔」 |
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2000 | 「鉄道員(ぽっぽや)」 |
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選考・審査方法 | 2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | ページの先頭↑ |
年 | 受賞作品 |
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1999 | 「愛を乞うひと」 |
1998 | 「もののけ姫」 |
1997 | 「Shall We ダンス?」 |
1996 | 「午後の遺言状」 |
1995 | 「全身小説家」 |
1994 | 「月はどっちに出ている」 |
1993 | 「シコふんじゃった。」 |
1992 | 「息子」 |
1991 | 「少年時代」 |
1990 | 「黒い雨」 |
選考・審査方法 | 2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | ページの先頭↑ |
年 | 受賞作品 |
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1989 | 「となりのトトロ」 |
1988 | 「マルサの女」 |
1987 | 「海と毒薬」 |
1986 | 「乱」 |
1985 | 「Wの悲劇」 |
1984 | 「戦場のメリークリスマス」 |
1983 | 「蒲田行進曲」 |
1982 | 「泥の河」 |
1981 | 「影武者」 |
1980 | 「あゝ野麦峠」 |
選考・審査方法 | 2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | ページの先頭↑ |
年 | 受賞作品 |
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1979 | 「事件」 |
1978 | 「幸福の黄色いハンカチ」 |
1977 | 「不毛地帯」 |
1976 | 「化石」 |
1975 | 「砂の器」 |
1974 | 「津軽じょんがら節」 |
1973 | 「忍ぶ川」 |
1972 | 「沈黙」 |
1971 | 「家族」 |
1970 | 「心中天網島」 |
選考・審査方法 | 2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | ページの先頭↑ |
年 | 受賞作品 |
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1969 | 「神々の深き欲望」 |
1968 | 「上意討ち-拝領妻始末-」 |
1967 | 「白い巨塔」 |
1966 | 「赤ひげ」 |
1965 | 「砂の女」 |
1964 | 「天国と地獄」 |
1963 | 「切腹」 |
1962 | 「人間の條件 完結篇」 |
1961 | 「おとうと」 |
1960 | 「キクとイサム」 |
選考・審査方法 | 2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | ページの先頭↑ |
年 | 受賞作品 |
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1959 | 「楢山節考」 |
1958 | 「米」 |
1957 | 「真昼の暗黒」 |
1956 | 「浮雲」 |
1955 | 「二十四の瞳」 |
1954 | 「にごりえ」 |
1953 | 「生きる」 |
1952 | 「めし」 |
1951 | 「また逢う日まで」 |
1950 | 「晩春」 |
選考・審査方法 | 2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | ページの先頭↑ |
年 | 受賞作品 |
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1949 | 「酔いどれ天使」 |
1948 | 「今ひとたびの」 |
1947 | 「或る夜の殿様」 |
選考・審査方法 | 2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | ページの先頭↑ |
下関市出身の女優、田中絹代の出演映画などを上映する「第一回しものせき映画祭」が2000年10月18、19、21日の3日間、下関市竹崎町の下関市民会館で開かれる。下関に映画文化を根付かせようと、個別に活動していた田中絹代メモリアル協会などが実行委員会を組織して繰り広げる初の合同映画祭。弁士付きの無声映画も登場する。
実行委はほかに、山口県の下関アジア映画祭実行委、下関活動写真上映実行委、松田優作映画祭実行委で構成。これに下関市自主文化事業協会が加わって主催する。毎年1回開き、将来は下関市内で活動するサークルなどにも呼びかけて下関を映画一色で染める一大映画祭に発展させていく計画だ。
2000年10月18、19日は午後3時から絹代出演の「太夫(こったい)さんより・女体は哀しく」(1957年)と「おとうと」(1960年)を上映。幕あいに撮影監督の岡崎宏三氏(81)が絹代との撮影秘話などを語るトークショーがある。
2000年10月21日は午後1時から韓国映画「シュリ」(1999年)で始まり、絹代主演の「伊豆の踊り子」(1933年)、阪東妻三郎主演の「雄呂血」(1925年)、外国映画「ドタバタ撮影所」(制作年不詳)の3本の無声映画を弁士付きで上映。ロビーでは下関市出身の俳優、松田優作の写真を展示し、2000年11月の上映会の予告ビデオを放映する。
映画祭と平行し、私生活をテーマとした「女優・田中絹代展」が2000年10月14日から2000年10月20日まで下関市民会館展示室であり、愛用した食器やアクセサリーなど約100点を公開する。3日間の映画祭と絹代展に入場できるフリーパス券は前売り2000円(当日2500円)。1作品鑑賞の場合は当日券のみで1000円、絹代展は500円。問い合わせは田中絹代メモリアル協会へ。(前川原悠子)
ロマンチック映画や懐かしい怪獣映画、山口県ゆかりの映画など、2003年9月中旬から映画祭がめじろ押し。時にはゆったりとスクリーンの世界に身をゆだねてみませんか。
山口県内唯一のミニシアター系映画館、シネマ・ヌーヴェルは開館1周年を記念し、2003年9月27日から2週間にわたり、恋愛映画など4作品を上映するロマンティック・シネマパーティーを開催。
サスペンス風のストーリーで、8人の大女優たちが歌って、踊る華やかさも楽しめる「8人の女たち」(2002年、フランス)。2001年ベネチア国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した、モノクロ映画の「白と黒の恋人たち」(フランス)、2002年アカデミー賞で黒人で初めて最優秀主演女優賞を受賞したハル・ベリーと個性派俳優、ビリー・ボブ・ソーントンの競演が見ものの「チョコレート」(2001年、アメリカ、R-18)、「抱擁」(2001年、アメリカ)の4本。「どれも映像に力があり、美しく、ロマンチックな気分を味わえる作品ばかり」と映画祭担当の室山恭子さん(38)。
前売り券(4作品分)はフルーツジュース1本付きで2000円。1作品分(当日券のみ)は800円。いずれか1作品観賞で、1年間に上映してきた36作品分から選べるポスター進呈のサービスも。
テアトル徳山1では2003年9月13日から3日間、「大巨獣ガッパ」(1967年)や「ゴジラ×メカゴジラ」(2002年)など新旧の特撮怪獣映画4作品を集めた周南怪獣映画祭が開かれる。
ゴジラシリーズなど44作品の予告をまとめて上映する「東宝特撮映画予告編集」は、4作品のいずれかを観賞すれば無料で見ることができる。期間中、ホビー祭も開催。怪獣のフィギュアやポスターなどが販売される。前売り(4作品分)2000円。1作品分(当日券のみ)800円。テアトル徳山1。
スターピアくだまつとMOVIX周南では2003年10月12日-11月9日、「日本映画の楽しみ方」をテーマに星ふるまちの映画祭が。山口県内で撮影された「ほたるの星」をオープニングで上映するほか、2003年カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された「アカルイミライ」や「沙羅双樹」など邦画計12作品を順次上映。監督3人によるトークショーも用意され、「アカルイミライ」の黒沢清さん、「沙羅双樹」の河瀬直美さん、「またの日の、知華」の原一男さんが出演する。
そのほか、特別招待作として「フリーダ」など洋画4作品と「それいけ!アンパンマン~ルビーの願い」の上映も。チケット(1作品分)は高校生以上1200円、小中学生とシニア1000円。発売は2003年9月13日から。発売中のオープニングチケット(1800円)は残りわずか。MOVIX周南。
シネマスクエア7は2003年9月13日から2週間、みんなで作る映画祭を開催。レオナルド・ディカプリオ主演の「タイタニック」やブルース・リー監督主演の「ドラゴンへの道」など、アンケート結果から上位六作品を。前売りは1作品1000円(当日200円高)、6作品5000円。
下関市文化会館では2003年10月3日から3日間、しものせき映画祭を。女優、田中絹代の主演作「お遊さま」や松田優作主演の「家族ゲーム」、「チルソクの夏」など下関市にゆかりのある作品を中心に5作品を上映する。しものせき映画祭に合わせ、シーモール下関では絹代の遺品写真約20点を集めた「田中絹代展」(2003年9月20日-2003年10月6日)も開催される。3日間有効のフリーパス券は前売り2000円(当日500円高)。1日券は1500円。田中絹代メモリアル協会事務局。
川本喜八郎の講演とその人形アニメーションの上映会が2003年10月27日に下関市民会館、2003年10月28日に山口市の山口県教育会館で。「道明寺」など4作品。前売り一般1200円(当日300円高)。小中高生は当日のみで800円。山口県映画センター。
映画やテレビ撮影のロケ地を誘致して観光地などとして生かすフィルムコミッション(FC)の活動が山口県内で始まって2012年で10年になる。ロケ地を活用した新たな取り組みが始まる一方、誘致に頼らず、映画をもっと身近に感じてもらう試みを始めた団体もある。
多くの観光客が訪れる下関市の水族館「海響館」に2012年3月2日、俳優の高倉健が、関門橋を背景に海峡を見つめる広告が掲げられた。2012年夏公開予定の映画「あなたへ」のものだ。下関市観光政策課の中川清隆課長は「観光客にもわかるように、撮影場所に目印を作りたい」と観光客誘致効果に期待する。
撮影場所を探したのが、下関フィルム・コミッションだ。これまで映画18本、テレビの2時間ドラマ17本の誘致や支援をした。上野樹里出演の「チルソクの夏」や市川海老蔵主演の「出口のない海」など、下関出身の佐々部清監督作品を始めとした映画ロケの実績は山口県内で最も多い。
下関市などで作る「しものせき観光キャンペーン実行委」はこうしたロケ地を回るスタンプラリーを、2011年6月から新たに始めた。佐々部監督の「四日間の奇蹟(きせき)」のロケ地となった角島やJR特牛(こっとい)駅には当時のセットが今も残っており、これまでに延べ500人以上が参加したという。
山口県東部を中心に映画撮影の支援活動をする民間団体「せとうちフィルム・パートナーズ」は誘致に限らず、映画を地域振興の手段として使おうと、プロの監督を招いて小中生に映画作りを体験させる「映画塾」や独自の短編映画祭を開いている。映画に親しみ、将来的に、地域で映画を制作しようという機運が盛り上がればと願う。
全国組織の「ジャパン・フィルムコミッション」に認定されたフィルムコミッション(FC)は、山口県内に4団体ある。2002年に萩と下関でできたのが最初だ。制作側のイメージに合うロケ地を探したり、ロケ場所の撮影許可を代理で取ったりする。エキストラを集めることもある。
長門市は2011年度、フィルムコミッションを立ち上げた。「金子みすゞや青海島などあらゆるメディアに長門を出していきたい」と担当者は意気込む。2012年度には、ホームページを充実させ、PRに力を入れる。
ただ、近年は不景気などの影響で、制作側が地方ロケではなく、都市部から近い場所での撮影を選ぶ傾向にあるという。交通の便もあり、萩や岩国のフィルムコミッション(FC)の実績は、映画では「長州ファイブ」などこれまで2本ずつだ。
せとうちフィルム・パートナーズの企画担当の大橋広宣さんは「誘致も大事だが、そうたびたびはなく、待っていてもしょうがない。映画が持つあらゆる力を最大限生かしていきたい」と話した。
下関にゆかりのある映画などを紹介する「しものせき映画祭」(実行委員会主催)が2013年10月20、27日、下関市で開かれる。2012年亡くなった作家赤江瀑(ばく)さん原作の「オイディプスの刃」や、田中絹代監督作の「月は上りぬ」などを上映する。田中絹代メモリアル協会と田中絹代メモリアル協会などでつくる実行委の主催で、12回目。
2013年10月20日は東亜大学が会場。「これまでは少なかった若い人を巻き込んでいこう」と大学祭が開かれているこの日を選んだ。午前10時から「紅(あか)いコーリャン」を上映する。2012年ノーベル文学賞を受賞した莫言(モーイエン)原作で、ベルリン国際映画祭で最高賞を受賞した作品。監督は張芸謀(チャンイーモウ)で、主演は鞏俐(コンリー)だ。実行委副委員長の崔吉城・東亜大東アジア文化研究所長は「反日的な映画で日本で紹介していいものかと思ったが、日中間に問題がある今だからこそ見てほしい」と話す。
2013年10月20日午後1時からは「地域の映像作家による作品」として、崔所長が日中戦争に従軍した下関在住の男性にインタビューした作品などを上映する。「オイディプスの刃」は2013年10月20日午後2時40分から。2013年10月20日午後6時からは上海に渡航した高杉晋作を描く「狼火(のろし)は上海に揚(あが)る」を上映し、直木賞作家の古川薫さんが解説する。
2013年10月27日の会場は下関市民会館。「セロ弾きのゴーシュ」(2013年10月27日午前11時)、「月は上りぬ」(2013年10月27日午後1時10分)のほか、周南市の藤岡利充さんが、選挙の候補者や政治家の姿を追った「立候補」(2013年10月27日午後3時20分)、「うまれる」(2013年10月27日午後5時15分)を上映。2013年10月27日午後8時からは下関東急インで懇親会(3000円)を開く。
入場券は前売り3枚つづり券2000円、当日1枚1000円。大学生以下半額。問い合わせは田中絹代メモリアル協会。
しものせき映画祭を共催する東亜大では開学40周年を記念し、2013年10月19~20日の大学祭に合わせ一般市民向けのイベントを開く。2013年10月19日は参加型のインスタレーション(空間展示)の「ギャラリー・木漏(こも)れ陽(び)のある部屋」(2013年10月19日午前10~11時半)、地域の人が演奏する「新下関音楽祭」(2013年10月19日午後2~4時半)で、2013年10月20日は医療機器の体験コーナー(2013年10月20午前10時~午後3時)など。2013年10月19、20日とも東アジア文化研究所で赤江瀑さんの遺品を展示する。問い合わせは東亜大。